プロトタイピング基礎とは

【シラバス講義概要より】プロトタイピングとは即ち実働する試作のことであるが,実働試作物の他,ビデオプロトタイピングやペーパープロトタイピングなど,ユーザ経験価値を創出するためのいくつかの種類がある.ユーザ・インタフェースデザイン(UIデザイン)において,プロトタイプを作成し,そこから得られるユーザフィードバックを基にさらにUIデザインを改善する手法は一般的である.この授業ではフィジカルコンピューティングやデジタルファブリケーションといった近年のものづくり変革を学習することで,新たな製品価値を創出するための基礎的なプロトタイピング知識と技術習得を目的とする.授業計画に加え,プロトタイピングに着眼した招待講義を予定.なお,外部から講師を招いての特別講義を予定しており,その際は履修者の予定を踏まえたうえで別途別日を特別講義に設定することがある.

パフォーマンスとプロトタイピング

プロトタイピングとは一般にプロダクトデザイン分野で利用されてきた言葉ですが,デザインや開発スピードが向上した現代において,今まで比較的大きな予算で,多くのプロセスを踏み(承認をとり),たくさんの専門分野のエキスパート達が連携しないと作れないものづくり以外にも,幅広い知識と技術をみにつけたエンジニアやデザイナが極端に短い時間や低いコストである一定のプロトタイピングを行う事例が増加しています.

新しいデバイスや演出を企画するときには,実際に手に取れ,動作するプロトタイプがあることで,演出家とのコミュニケーションを急速に改善できることがあります.

講師紹介

吉池俊貴

とあるミュージックビデオをきっかけにメディアアートへ興味を持ち始める. 学部ではデザインと情報を学んでいく中で自分のやりたいことがインタラクションデザイン・インタラクティブアートだということを認識し首都大学東京大学院串山馬場研へ進学. IVRCで川上記念特別賞を受賞、SIGGRAPH2012でポスター発表などし、自身の研究では鑑賞者が作品に介入できるような対話的なスクリーンを開発. 研究を通して現在所属するmplusplus社長の藤本と知り合い、MV撮影やドームツアーでのパフォーマンスシステムの手伝いをさせてもらう. この出会いがきっかけで卒業後は広告代理店を経たのち、現在mplusplusのProgrammer / Interaction Designerとして主にソフトウェア開発に従事

鈴木龍彦

首都大学東京大学院 システムデザイン研究科 串山・馬場研究室 修士課程卒(2013年3月)。 プログラミング、音楽、映像など様々なメディアの制作を行っている。 在学中、研究・制作・音楽制作などに携わった電子楽器”PocoPoco”は、SIGGRAPH2011E-techに採択される。 また、スマートフットウェア”Orphe”のクラウドファンディング用映像、販売用映像のディレクション・音楽を担当。 2017年1月からmplusplusに所属し、映像や音楽制作などに従事。

小野圭介

大学2年次春なんとなくProcessingを触ったことがキッカケでメディアアートやプログラミングの世界に興味を持つ.その後,mplusplusでアルバイトを始める.mplusplusで仕事をしていく中でウェアラブルコンピューティングに関する研究をしたくなり,首都大学東京馬場研究室へ進学.研究室ではテキスタイルインタフェース、ウェアラブルコンピューティングに関する研究に従事.繊維素材のみで構成された布型タッチパネルTEXTILE++を発表.ACM SIGGRAPH2017 Studio 採択,GUGEN2017 優秀賞,第三回ADADA JAPAN学術大会 研究奨励賞 卒業後は新卒でmplusplusに入社. 現在,mplusplusのSoftwear Engineer/Interaction Designerとしてソフトウェア開発,光の演出,その他諸々なんでもやってます! どうぞよろしくお願いします!!!

参考資料

M++によるパフォーマンス動画

制作した発光パフォーマンスシステム事例

質問など

この特別講義について,質問や不明な点がある場合は授業担当者の馬場までご連絡ください.baba@tmu.ac.jp