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300XZミニカーのヘッドライトにLEDを取り付ける

電池でLEDを光らせるだけの記事ですが,LEDのデータシートや電池の仕様から適切な設計を行う為に 基礎的な知識が含まれていますので,是非良く理解してください.平成27年2月28日作成記事. 改造,電子工作はユーザの自己責任でお願い致します.

山下先生の退官最終講義の時にサインをもらおうとおもい,オークションでZ32ミニカーを落札しました.そのままサインを頂くのでは申し訳なかったので, LEDをつけてヘッドライトが光るようにしました.上の画像が光っている時の様子(サイン入り)です.購入したのは, Kyosho 1/43Scale NISSAN FAIRLADY Z (32) Silver No.K03705SW (Kyoshoの商品紹介ページ) になります.

このZ32もそうでしたが,他のKyoshoミニカーの幾つかはヘッドライトの一部に透明プラスチックが使われているので,穴あけ等の加工 をせずとも内部からの発光をヘッドライトのように見せることができました.そこで今回はこの透明箇所からLEDの光を通し,ヘッドライト のようにしてみました.では手順ごとに紹介していきます.

1.内部空洞箇所の確認と部品の選定

図1.ボディと座席部分を取り外し,コイン電池ホルダを固定したところ

実際にボディを取り外し,確認してみると,使える空洞部分はZ32の贅沢な広さをもったエンジンルームでした.もともと1/43スケールなので, AAA等の一般的な乾電池では収まりません.なので結果としてボタン電池を利用することになります.一方で,ヘッドライトの発光色には今回 白色を利用するため,赤,緑色LEDに比べ,発光起電力(Vf)が高めになります.またサイズもなるべく小さいものを選択する必要があります. 表面実装型(チップ)LEDが最も小さいですが,取り付けやすさを考え,今回は3mm砲弾型LEDとしました.実際に購入したLEDは下記のものです. なお,電池ホルダや配線の固定にてホットボンド(グルー)を利用しています.

図2.UW3804Xデータシートの一部.1mAを流した場合,若干の相対輝度が得られるのがわかります

秋月電子のページではVf=3.7〜4.2とあり,これでは発光に必要な電圧が足りないのでは,と思うかもしれませんが,これは20mA流す場合です. データシートを見ればわかりますが,3.0Vを印加することで1mAの電流がながれるため,眩しくひかることは無いですが,「光っている感じ」を 出すには十分かと思います(図2参照).ヘッドライトを2つつけても2mAのため,コイン電池の220mAhの容量であれば110時間もつ計算になります.玄関に飾って たまに点灯させるくらいであれば,しばらくはもつでしょう.コイン電池にいろいろありますが,CR2032が今回の使用には適当かと思います. 最大放電電流が3mAなので,すこし電池に負担がかかるかもしれません.安全に使うには数百Ωの抵抗を挟んでも良いかもしれません.今回の利用する LEDに3.0Vを印加した場合,実測でも1mA程度でした.

電池には多くの種類がありますが,今回は3Vの電圧がほしい,スペースが限られている,この2点からコイン電池(3V)を選びました. 実際に選んだ電池と電池ホルダーは下記のものです.

2.発光位置(LED取り付け位置)の確認

それでは次に,LEDをどのように取り付けるかを検討します.先にも記述しましたが,ヘッドライト部分の内側は全て 塞がれているわけでなく,上部の一部は透明プラスチックになり,光を通すようになっています.なのでそこにLEDを 置くことでどの程度光が透過するか見てみます.図3のように実際にLEDをホットボンドで簡単にとめて,3.0Vを電源装置 から提供して,確認してみます.図3に示すようにLEDを配し発光時の様子を図4,5に示します.適度のヘッドライトから LEDの光が出ているのが確認できます.

図3.ヘッドライト内側の隙間に向けてLEDを配置したところ
図4.発光しているところ
図5.外側から確認した様子
図6.電源とLEDの配線

3.発光切り替え方法の検討と,ケーブル配線位置の確認

あとはコイン電池とLEDをつなげばOKですが,LEDをつけっぱなしにして,必要なときに わざわざボディを開くのは面倒です.結果としてこの部分で大いに迷ったわけですが,シンプルに スイッチ方式にすることにしました.スイッチの場所ですが,シャシーしたの目立たない場所 にしました.回路図は下記のようになりました.LED,電池電極にハンダ付けを行いますが, 残りのケーブル箇所をホットボンドでしっかり固定しておきましょう.そうでないと,ボディや ケーブルを動かしているうちに簡単に断線してしまいます.図6をみると,ケーブルもホットボンドで 固定することで,ハンダ箇所が動かないようになっているのが解るかと思います.

図7.最終的な回路図.電源電圧が低い(3V)ので,結果として電流制限のための抵抗は必要ありません.
図8.完成した300ZXのLEDヘッドライト

おわりに

ミニカーのヘッドライトを光らせたい人や光らせている人はたくさんいると思うのですが, 実際に分解をして機構を報告している事例が全然なかったので,今回は記事にしておきました. 学生用には簡単な電子回路設計の基礎的理解を深める為のものとして記述しています. ただしそれに限らず本ページが趣味等のユーザにも役立てば幸いです.当初は結構簡単かと 思っていましたが,部品選定や配置位置の検討など,すこし考えないといけない部分もあり, 楽しみながらできました.1/43スケールより大きなものであれば,本ページのやり方で ほとんど問題なく再現が可能かと思います.ただ1/60スケール程度のよく見る一般的な サイズの場合,この実装空間の狭さは大きな問題になってくるかと思います.


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